落語の噺に「甲府い」というのがあります。
豆腐屋の店先でおからを盗み食いした男が、職人の金公に捕まって殴られます。店の旦那が訳を聞くと、善吉という若者で、ひと旗挙げようと故郷甲府から出てきたものの掏りにあって一文無しになり、空きっ腹でフラフラしてるうち出来心で食べてしまったとのこと。身延山に三年の願かけをしてきたという話で、同じお宗旨だと喜んだ旦那に雇ってもらえることになり、一生懸命に働きます。表回りの売り声が「とおふぅ~い ゴマ入りぃ~がんもぉどぉきぃ~」てんで。
世辞豆腐とあだ名がつく程人当たりも良く、見込まれて一人娘お花の婿となりまして三年目。子宝にも恵まれ、若夫婦そろって故郷に錦となります。途中身延山での願ほどきも兼ねまして。
近所の人が見送りに出て「よっ!ご両人!どこ行くの?」「甲府ぅ~い おまいりぃ~ 願ほどぉ~きぃ~」でサゲ。
何の話かと言いますと、あたくしもこの一週間願かけで髭を剃らなかったんであります。今日大願成就となりまして、夜には剃ろうかと。つっても元々がまばらに生えたゴマ髭。これも落語の「よかちょろ」じゃないけど泥鰌ッぴげてやつですが。
退院ん~! ごまひげぇ~ 願ほどぉきいいい~!
良かった良かった!(T_T)
もみあげね~けど
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