ネットはおろかビデオも無かった頃映画を見るのは映画館と決まっておりまして、年端もいかぬ子どもにとってははるか遠い世界でありました。
一方でテレビには各局に午後九時から二時間枠での映画放送があり、金曜ロードショー(まだやってるらしい)とか日曜洋画劇場とか曜日を分けてそれぞれが目玉になる作品を放送しておりました。
地上波(つ~言葉も無かった。だって地上しかなかったから)初放映なんてますとこれを見逃してはならじ!とばかり楽しみに待っては、翌日の学校でその話でもちきりだったのも懐かしい話であります。
それとは別に午後のロードショーとか14時半当たりの中途半端な時間にやってた映画番組もありまして、こりゃ当然学校行ってる子どもは見られず、暇な大学生になってからなんとなくちょいちょい見たもんで。
そんな中にいつまでも記憶に残ったすげえおっかない作品がありまして。
帝政ロシアの頃、休暇で帰省する途中の神学生が一夜の宿を頼んだ家のばあさんが魔女で肩車状態のまま一晩中飛び回られ、降りたところで殴り殺してみればいつの間にか良家のお嬢さんになっていたという。
そうとは知らぬ彼女の親から三日三晩の弔いを頼まれてみると遺体とともに広いお堂のようなところに閉じ込められての祈祷でして、花に飾られた美しい令嬢が夜中になると目をパッチリ開いて起き上がるんであります。 きたきた~!
学生が必死に祈りながら自分の周りに白墨で結界を張ると怨霊にはその中が見えないようで、パントマイムよろしく両手で探りながらさ迷い歩くとともにお堂の中の魑魅魍魎も蠢き出し、見てる方には女優さんがとても綺麗なだけにものすごおっかなく、それでもなんとか恐怖の夜は二晩まで無事に明けまして。
そして三晩目、最後の最後に巨大な目玉おやじみたいのが出てきて見破られ、一同総出で憑り殺されるという。
ほんと怖かった~ ( ;∀;)
ずっと後になって読んだ怪奇小説集の中にこの話の原作を偶然見つけ、ゴーゴリの「ヴィイ」という作品であることを知ってあの映画を思い出し調べてみたら「妖婆 死棺の呪い」で、なんとネットで見られたんでありますよ。
やっぱ怖ぇえ~ ( ;∀;)
今期から蚊帳を導入したお話をしましたが、夜中に何度となくあたくしの顎に吸いつきに来るみっちゃん(お茶々のあだ名)は猫のくせにこの薄膜を越えることが出来ず、鼻炎の鼻を鳴らしながら周りを回って入れてもらえるのを待っておりその様子がね、あの映画みたいだと。
そういや鼻がヴィィヴィイいってるしね。
こいつは怖かないけどさ。