この日開催された饗宴ロウドクシャ「怪談夜宴・百鬼の夜」を観賞するため。文学を体感するアートプロジェクトと銘打った五感で感じるイベントで、元々直売会のお客さんでFacebookを通じて仲良くなったクリエイターのA元さんから教わりまして大の怪談好きなあたくしの血が騒いだんであります。
商店街をぶらついて遅めのお昼で下地を入れまして、向かったのは史跡旧田中家住宅。
江戸の昔からこの地で材木商を営んでいた田中家は代々商才に恵まれた当主を輩出しており、味噌醸造業に乗り出した四代目の大正時代に絶頂期を迎えた豪商でして、常時滞在した70人からの客をもてなすために母屋に並べて建てられたのがこの洋館でありました。
当時見たこともなかったような三階建ての堂々たる館は、足尾銅山と東京を繋ぎ後に122号線となる銅街道を挟んであたりを睥睨していたことでしょう。
開演に先立って邸内散策しますと、そこはまさに犬神家の世界。建材は言うに及ばず贅を凝らした調度の数々に、当時の上流階級の人々の笑いさざめく声が聞こえてくるようでありました。
さて茶室を改造したホールが会場でございまして、客席の横には同好の士によるミニミニショップが置かれておりA元さんによるお面店や、ものすごくマニアックな書店などもお店を広げておられました。あ!いば師匠の好きなあのお店も!
嬉しいのはビールも売っていてほろ酔いでの鑑賞ができたこと。まさに五感プラスワンですな
( *´艸`)
日も落ちて豪邸ならではの隅々に闇が作り出す、どこか空恐ろし気な空気が満ちるころ開演となりました。コントラバス一本がおどろおどろしい音響を奏でる中演者が語るのは、鏑木清方「幽霊の写生」小泉八雲「むじな 葬られた秘密」泉鏡花「夜釣」という一流どころ。
朗読とはいいながら空で語るそれは古い文語体だけにまっすぐ意味が入ってくるわけではありませんが、例えてみれば活動映画の弁士の語りに似て独特のリズム感が不可思議な世界観を形作っておりました。
第二部は妖怪研究者の方の座談会。もうちょい突っ込んだ話でもよかったかなあ?
ちょっと小劇場演劇にも通じる全体的に文化度が高い感覚?なかなか良かったです。また行こっと。
はねた後は蕨に帰るのに、なぜか赤羽で打ち上げ飲みをいたしました。エキナカってのもいいっすね。
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