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2015年4月3日金曜日

寓話する

昔あるところに一人の男がおりました。若いころは胆力もあり小柄な割には腕も立ったので、遠くの町から来る年かさのいじめっ子達に刃向かってはその子分にされていた近所の子を助けたりしておりましたが、段々ずに乗って自分も暴れまわるようになっていました。
そんなある日川向こうに住む大男と喧嘩になり、元々体力差が大きかったのでコテンパンにやっつけられてしまいました。打って変わって卑屈になった男はすっかり大男の腰巾着になってしまい、手先が器用で金儲けはうまかったので、お金は渡すわ住む場所は提供するわ。それも自分の弟の家に無理やり部屋を作ってしまい、酔っぱらった大男が弟の家族に迷惑をかけても知らんぷり。
怒った弟が繰り返し文句を言ってものらりくらり、小遣いやってなだめたりげんこつ見せて脅したりしていました。

一方隣の旧家にも大男が住んでいました。図体ばかりデカくて無能な奴と馬鹿にしていたのですが、最近になって勉強を始め運動をし贅肉が取れてくると、実は川向こうの男とタイマン張れるくらいの力があることが分かってきました。更に昔いじめられた事や家の境界争いまで持ち出してきて、いざこざが絶えなくなりました。
困った男は川向こうに相談したのですが、あちこちで喧嘩を繰り返したせいで体力の落ちた大男はあまり庇ってくれません。
そうこうするうちに隣の大男が新しいグループを作ると言い出しました。どうせ仲間外れだとたかをくくっていた男と川向うでしたが、ふたを開けてみると、自分らのグループだと思っていた仲間たちが次から次へと隣の方に入ってしまい、気付けば二人だけが残されていました。思わず顔を見合わせてもお互いの動揺は隠せません。

そして今週は男が町内会の会合でスピーチをすることになっています。昔のヤンチャを謝ろうか開き直ってやろうか?最近ボケ気味の男に代わって当主になった長男は、苦労知らずで甘やかされて育ったため向こう気ばかり強く、喧嘩の一つや二つ買ってやろうと息巻いてますが、実際に出ていって怪我するのは自分の子供たちであることに気づいていません。

さてこの先の運命やいかに?って、何の話でしょうか・・?



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