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2012年10月4日木曜日

矜持を捨てる


雲が晴れてようやく気温、湿度含めて秋らしい日よりになりました。
旅心誘われるこんな日には必ず思い浮かぶ詩があります。
高村光太郎の「秋の祈り」
日記に詩歌の類を書く場合、それがうろ覚えで多分間違ってると思われるときでも決して出典を見ないというのが僕のささやかな矜持なんですが、この詩ばかりはそういう訳にいかないんです。長いのもありますがどういう訳か何度読んでも憶えられないんです。

秋は喨々と空に鳴り 風は金色鳥が飛び 魂いななき 心目を開け 童となる・・祈る言葉を知らず・・涙をたれ・・多端分雑の過去は・・秋は喨々と空に鳴り・・?
このくらいしか浮かばない。いい詩なんですよ~!
今回ばかりは矜持を捨ててコピーします。

秋の祈り
                       高村光太郎

秋は喨喨と空に鳴り

空は水色、鳥が飛び

魂いななき

清浄の水こころに流れ

こころ眼をあけ

童子となる

多端粉雑の過去は眼の前に横はり

血脈をわれに送る

秋の日を浴びてわれは静かにありとある此を見る

地中の営みをみづから祝福し

わが一生の道程を胸せまつて思ひながめ

奮然としていのる

いのる言葉を知らず

涙いでて

光にうたれ

木の葉の散りしくを見

獣のキキとして奔るを見

飛ぶ雲と風に吹かれるを庭前の草とを見

かくの如き因果歴歴の律を見て

こころは強い恩愛を感じ

又止みがたい責めを思ひ

堪へがたく

よろこびとさびしさとおそろしさとに跪く

いのる言葉を知らず

ただわれは空を仰いでいのる

空は水色

秋は喨喨と空に鳴る


いやぁ~いいなぁ~!心洗われる!従って今日はボケもオチも川流も無し!

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