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2015年12月17日木曜日

壺算に想う

落語の噺に「壺算」というのがあります。多分もともとは上方の噺みたいだなあ。

宿替えで新居に入った男が猫のいたずらで水壺を割られてしまい、買いに行こうとすると女房からあんたは高いもの礼言って買って来るような人だからと近所の兄貴分と一緒に行くように言われます。この男は買い物名人を自称するだけあってなかなかの口八丁、二人で荷運び用に天秤棒と縄を担いで瀬戸物町へと出かけます。
朝一商売の店に飛び込んで値を聞くと一荷(いっか)入りで三円五十銭と。そこを値切り倒して三円にさせ二人で担いで帰ろうとしますが、実はここがミソ。女房から二荷入りをと言われていたのです。
店に戻るとわざとらしく「こいつがアホやねんっ!二荷入り言われてたんをボッとしてるさかいに、一荷入り買ってしもうて。えらいすまんけど二荷入りと代えてくれんやろか?」
二荷入りは一荷入りの倍なので本来七円の値。そこを三円で買っていたので六円でよこせという訳です。これまたさんざんに値切り倒してうんと言わせ、さてここからです。

「ほなさい前の一荷入り下に取ってくれるんやからそれは三円やな?それとさっき払った三円があるさかい〆て六円でこの壺持って帰ってええ訳やな?」

「へ?へえ・・・・?そういうことになりまんな・・・?」

さっさと帰ろうとすると相方が喜んで笑うので不安になった番頭に呼び戻され、店に戻ってはそのたび早口でまくし立てて煙に巻きまして、小さい算盤では合わないから大きいの持ってこいと番頭が小僧に八つ当たりする場面が笑わせます。

何度か繰り返し最後は「もうその壺持ってとっとと去んでおくれやすっ!」
「それこそこっちの思う壺や!」まんまと二荷入りを三円でせしめたという。

分かりますよねこれ?最初の壺下取りした時点で一度三円を返して、改めて六円で次の壺を売ればどうということはないんです。物を置いてさもお金のように勘定に入れるからごまかされる訳ですな。

再来年の消費税10パーセントに向けて軽減税率がやたら取りざたされてますよね。
けどさあ、一兆円不足する分どこかで代替えの財源とか言ってるっしょ?あれおかしいでしょ!
増税して増える分の金の勘定どこいったのよ?2パーセントアップで5兆円とも言われる増加分が1兆減っても4兆円はあるわけで、そこんとこマスコミ誰も言わないのは何でだ?
はなっからありもしないものをさもあるものかのようにたたき台にして騙る。これはまるっきり壺算じゃね~かよっ!
でさあ。テイクアウトは外食じゃないとかイスとテーブルがあれば外食だとかって、これ論旨のすり替えだよね。報道する側もよってたかってそっちに目が行くように煽ってるでしょ?どこからどこまでが外食だ?小学生が遠足の時「先生!バナナはおやつに入るんですか?」と聞くのと一緒じゃね~の!
そもそもは景気の動向によって引き上げるかどうか検討するっつ~話だったものが、いつの間にか増税ありきになっちゃってるし。で何?低所得者向けに補助金?一律3万円?
あいつらバカだからとなめられてるとしか思えませんわなあ。いずれにせよあっちの思う壺ですわ、クッソ〜〜!

ちなみに壺の一荷とは容量ではなく、一人で担げる重さを表す単位だそうです。明治大正の頃の噺でしょうね。そういやおやつバナナなんてのも昭和な話よね。
久々似ている川流です

 昔だね  おやつバナナと  重い壺  と ムカつくね  あやつバカだと  思う壺   は似ている。









 

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