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2012年2月27日月曜日

人生の塩味

これから売りだそうと考えているラムがあります。オーストラリアのソルドブッシュラム。
ソルドブッシュというのは地下深く張った根で塩分はじめ沢山のミネラルを吸い上げる独特の草で、これを食べて育った羊からは極めて優れた肉質と特有の香りを持った極上の肉が取れるそうです。
こう聞くと好事家の方の中にはフランスのプレサレを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?海沿いの牧場で潮風に吹かれて育つこの羊はラムの最高峰とされています。潮風の広大な岬の草原と羊。想うだに素敵な光景です。
ただ困った事にこの想像について回る場面がありまして。
モーリス・ルブランの「奇岩城」はアルセーヌ・ルパンシリーズの最高傑作とされています。物語中盤のヤマ場で、少年探偵イジドール・ボートルレがルパンの残した謎の言葉「エトルタの西」「フレホッセ砦の南」「令嬢たちの部屋」(違うかもしんない)を基に苦心惨憺の末、かの怪盗の秘密の住処にたどり着きます。
少年はふいに両手で顔を覆った。ドーバー海峡(か?)を背した海岸の中空に屹立する一枚岩の巨大なオベリスク!「僕はついにたどり着いたぞっ!奇岩城にっ!」
感動的なシーンですが僕の頭の中では少年の周りで羊達が呑気にグルグル回っちゃってる訳です・・メェ~とか言いながら・・

日本に目を向けますと作詞界の巨星、星野哲郎先生もその作品の中で歌っています。

 憎や恋しや 塩屋の岬  (美空ひばり「みだれ髪」より)

肉屋恋しやだもの。

結婚間もない頃仕事関係の通夜に出まして帰宅し、新妻に玄関先でお清めの塩をパラパラとふりかけてもらった事があります。その時ものすごく大人になったというか俺も一家構えたんだな~と強く感じました、三十近かったけど。
汗につけ涙につけ適度な塩分は人生の隠し味ですね。
ここで一句

 ふりかけし 同じその手で 塩まかれ

まかれるようになっちゃお終いよ!塩分過多でしょっぱくって食えねぇ。
俺が何したっつ~んだよ!え?艶聞?あ~あれね・・
嘘嘘!そんな事実は無~い!

今日のギセンです

 煙草買ふと 吾がたち寄れば厠より 主いらへて いでて来にけり


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