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2025年2月17日月曜日

読後感する・イニシエーションラブ

 毎度お話しするように湯船で温まりながら使い捨て?の古本を読むのが毎日の楽しみとなっておりまして、帰り道にある古市で三冊とか五冊とかまとめ買いして積読したものを順に読むんですがあえて順不同にしております。

当然自分の好みで買ったものなんですがそれぞれ好きの比重が違うためシャッフルしておいて、まああれっすよ、とんかつから先に食っちゃってキャベツ残らないようにするみたいな。

どの本を選ぶかなんですが好きな作家以外のものはタイトル見て気になったものを抜き出し、裏表紙の解説読んで決めるんであります。

で、今回の「イニシエーションラブ」ね。


積んどいた最後の一冊なので買った時のことはすっかり忘れており、読みだしてみるとなんだか普通の恋愛小説みたいだぞ?

どう考えても自分がこの手のものを選ぶとは思えず途中で急にホラーとかサスペンスに変わるのかと思ったけどそれも無く、だからってここで裏表紙見ちゃってネタバレするのもなんだしと最後まで読んだけど別にどったこともなく。

何だこりゃ?と、巻末の解説読んでああそういえばと裏表紙見てやっと思い出しました。

そうそう、最期の二行を読んだら絶対にもう一度読まなければならなくなる!ってやつ。

そこから深読みすることで確かにスリラーっぽくなりまして、なるほどうまく作ったなあと。

確かにもう一度それが書いてある箇所を探しちゃいましたもんね。


けど一番印象に残ったのが時代背景と若者の生活感でして、「男女七人夏物語」というドラマが流行っていた時代だからバブル前夜くらいでしょうか?

主人公が彼女の望みをかなえるべく免許を取り車を買い、クリスマスイブにはホテルのディナーとプレゼントという展開の間金の話が一切出てこない。

バイトしてる学生ですらその程度の暮らしが当たり前に出来てた時代ってことなんでありましょう。

まさかその後の日本がここまで凋落するとは書いてる作家も思いもよらぬことであったのかと、主人公の性格が変だぞといった作品の評価とは全く別のところで深くため息をついたことでございました。


イニシエーションってのは通過儀礼みたいな意味らしいけど、十年後の我が国を見てあの体たらくもここまで上がって来るための通過儀礼だったのかと思いたいもんであります。









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