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2022年8月23日火曜日

奇談と奇譚の違いを考える

最近よく申し上げておりますように世は怪談ブームなんだそうで、専門に語る怪談師なる人々が生まれております。
そのおひとりで下駄華緒という方がユーチューブで「火葬場奇談」というチャンネルをやっておられ、最近よく見ております。

タイトルから分かるように彼は以前十年ほど火葬場職員をしておられその後葬祭業に転じた経歴の持ち主ですが、ここでは怪談ではなく、人として避けがたくはあるもののほとんど知識を持たない火葬というものの実際を主に質問に答える形で語るんであります。
かといって再生回数を稼ぐためによくあるようなグロい裏話的なものではなく、逆にそういった真偽の定かでないものが出回っていることへのアンチとして始められたようです。
事実彼がこの番組を始めてからその手のものが目に見えて減ってきたそうで、本物の前では偽物は顔色なしといったところでしょうか。
とはいえやはり内容が内容ですから本物のすごさというのもありまして。

あたくしが何よりいいなと思うのは彼の前職への真摯な態度で、それは遺族さんへの思いやりが基になっているところなんであります。
語り口も朴訥ではあるもののよどみなく、人柄も頭もいい人なんだろうなあと。
そこにゲストで出られた島田秀平さんの話は怪談ではないのですがやたら面白かったのでお伝えいたします。

島田さんの後輩で駆け出し芸人の子が飼っていたリス猿が死んでしまい、悲しみに暮れながらもペット火葬の業者さんを探して連絡したところ単独葬(一体で焼く)と合同葬(複数で焼く)があるということで、売れない芸人はお金も無いので(でもペットは飼えたのね?)後者を選んだそうです。
当日出かけてみると時間ギリギリにもう一人の参列者が走ってきて、見るとびしっと着込んだ喪服の肩からクーラーボックスをかけている。
開けると中には魚が入っていて長く可愛がっていたのでよろしくお願いしますと涙ながらに。
魚だってペットには違いからなあとその子は思い、一緒に待つことに。

火葬を待つ間のサービスにランチが付いてたんだそうで、肉か魚を選べたんですがどちらか聞かれた時なんだか悪いような気がしてその子はお肉を選んだのですが件の飼い主さんはお魚だったという ( ;∀;)

無事済んでそれぞれお骨上げとなりなんとはなしにその人の様子を横目に見ておりましたが、要するに身の無い焼き魚ですからな、この人の中でどう折り合いつけてるんだろう?と思ったそうです。

そりゃそうと
日本全体として言えば火葬はそう古い慣習というわけではないそうではありますが、あたくしも犬のあんこで経験あるように焼けて骨になってしまうとそれまでの悲しみが急に浄化されるといいますかなんとなくすっきりするところがあり、儀式として必要なものだと思いますね。






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