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2020年3月6日金曜日

裏筋を思う

外回りや現場でお仕事の時YouTubeで朗読を聞くのが楽しみになっております。

このところ乃南アサさんの短編ミステリー作品を集めたチャンネルを見つけまして、これがなかなか良いんであります。

「留守番電話」という作品は新社会人の若者が会社の男子寮に入ったところから始まり、母親がそろえてくれた様々な日用品を荷ほどきしているとその中にどうした間違いか新品の電話が入っていたという。
回線引くのはボーナス出た時の楽しみにしてとりあえずコードをつないでみたら、前の入居者が解約していなかったとみえまだ生きていたのです。
そこへかかってきた電話。

留守電に切り替わった声を聞いてみると若い女性からで、どうやら住人が変わったのを知らず繰り返し掛けてきているようなのです。
一人暮らしの気散じにそれを聞くのが毎日の楽しみになって会社にも慣れ、日々を送るうち怖い結末に向かって話が流れていくという。
でね

これはまだ携帯の無い固定電話の時代のお話で、あたくしにも覚えがありますが電話回線引くのにそれなりの金額がかかりそれがちょっと大人になった気分にさせてくれたものでした。

ストーリーの中には女子社員や課長とのやり取りなど将来を嘱望され育てられていく新人の姿が描かれており、冒頭の母親に買い揃えてもらった品々や初ボーナスへの楽しみなど、思えば就職難の挙句正規雇用もされず使い捨てにされるような現代の若者とはまるで違う社会構造であったなあと、話の本筋とは裏筋の部分で考えされられたんであります。

次の世を担う世代に優しい社会に!
ダメだこんなんじゃ ( ;∀;)




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