大根を荒めにおろしただけのものなんですがこれが美味いんであります。
特に甘みの増す冬場は結構で、付け合わせはもちろんおぼろ鍋にしたりしょう油垂らしてそのまま食べてもいけるという。
秋口に谷根千散歩をした折亀の子だわしのメーカーショップで鬼おろし器を見つけ購入しまして、竹製の昔ながらのそれは見た目もレトロで良い上に聞けば熱伝導率が低いため素材を損なわないんだそうで、先人の知恵というのは実に侮りがたいものでありますな。
そんなことでこの冬はもっぱらこの道具を使っておりますが皆さんもご経験ありましょう、大根って最後までおろすと自分の指までいっちゃいがちですよね?
商売柄手を切ることには慣れておりまして、鋭利なものでスパッと切るのは意外と痛くなく(痛いけどさ)治るのも早いところが、ギザギザでやっちゃうとジクジクいつまでも痛いし傷もなかなかふさがらないものです。
いわゆるおろし金なんざ後者の急先鋒といったところですが、竹の鬼おろしとくるとまた一層であります。
そこで思い出したのが杉谷善住坊なんであります。
鉄砲の名手という以外全て謎のこの人物は浅井攻めから退却してようやく京に入ろうという峠で織田信長を狙撃し失敗したことで名前が残っておりまして、その後捕らえられ処刑されたんですが信長らしいといいますか実に残酷な処刑法で、首から上だけ残して土に埋め通りがかる旅人に竹ののこぎりでひと挽きずつ首を挽かせたという。
これを称してのこぎり挽きの刑ってんですが、あれっすよさっきの鬼おろし!
指でさえ痛いんだから首なんざ挽かれたひにゃああなた、そりゃもうたまらんでしょうに。
善ちゃん息を引き取るまで五日もかかったらしいっすよ、ああやだやだ ( ;∀;)
美味いもん食おうとして嫌なこと思い出しちゃいましたよ。
でね
あたくしのおろし器を善ちゃんと名付けました。
なんじゃそりゃ!
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