役者としての最盛期には僕の年代では少し遅いんですが、それでもチャイナ帽にちょび髭の怪しい中国人の怪演ぶりは強く印象に残っています。何の映画だったか作品も主演も忘れても、そのチョイ役を憶えてるというのはいかに脇役として個性的だったかを物語ってますね。
しかし何といっても小沢さんといえばラジオ「小沢昭一的こころ」です!
子供の頃から落語をはじめとする語りの世界が好きだった僕は、深夜放送黄金期の最後を看取った世代という事もありAMラジオが大好きでした。そして小学生のその頃から「小沢昭一的こころ」は既にTBSの看板番組でした。
遥かな後年、やはりファンだった親父の誕生日にベストセレクションをプレゼントしたりしてね。
お昼が定位置の今と違いまだ夕方の帯で、山本直純作曲のテーマやお囃子はどこか哀調を帯びており、夕暮れ空のもの寂しさとともに少年時代の心に刷り込まれています。
短いセンテンスを重ねたような構成で演じられる話芸としか言いようのない世界は、おじさん達のショボさアホらしさ情けなさをユーモアたっぷりに描いていましたが、根底に流れる優しい視線が「いいよいいよそれで」と言ってくれているようで、落語論で語られるところの「業の肯定」とも通じるものでした。しかし真ん中に通っているのはおスケベっ!男ってしょ~もね~なぁってね。
必ず登場する宮坂さんという中年キャラはその週のテーマによって、サラリーマン、商店主、中小の社長など役どころが変わりましたが、あの当時意味は分かっても味が分からなかったその年齢に気付けば僕もなってしまいました。今では痛いほど分かりますよ、男の哀歓ってやつが・・。
昨年発売された集大成のベスト盤買って聞いてみよう。
あの〆の台詞を味わいながら。
「明日のこころだぁ~!」合掌。
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