四万六千日様、暑い盛りのお話でございますの名調子で始まります「船徳」
勘当された大家の若旦那が居候先の船宿に頼み込んで無理やり船頭になりますが、箸より重いものは持ったことのないお方。カッコだけは一人前でトラブルばかり起こしております。
今日は止める女将を振り切ってお参りの旦那方二人を大桟橋まで乗せていきまして、すったもんだの挙句例によって途中でおっぽり出してしまうという。
さて帰れるんでしょうか?
「首提灯」
臨時収入が入り花魁の元へ遊びに行こうと、一杯機嫌で芝の山内を夜更けて通りかかった職人熊五郎。道を尋ねてきた侍に田舎侍は口のきき方も知らねえと喧嘩を吹っ掛け言いたい放題。
酔っ払いの雑言と我慢をしていた侍ですが、殿より拝領のご紋服にタンを吐きかけられ刀一閃。よほどの手練れと見え切られたことに気付かぬ熊はふらりふらりと道を続けまして「あれ?こんなにグラつく首じゃあなかったんだけどなあ?」
隅田川の花火の日、見物客でごった返す橋の上で行き合わせた騎馬侍一行とたが屋の職人。
あちこち押されるうちに持っていたたがのたがが外れて運悪く騎乗の侍の笠を跳ね飛ばしてしまいました。
どう謝っても屋敷で無礼打ちにすると勘弁しない侍たちに実は放蕩無頼で昔鳴らした職人がキレて、啖呵切った挙句切り合いとなります。口ほどには腕の無いお付の侍と喧嘩慣れした職人,。さてどちらが勝ちますか。
この噺が出来た時代、最後に首が飛ぶのは職人の方だったという「たが屋」
体格の立派さを見込まれて故郷から江戸に相撲取りになろうと出てきた若者。飯を食いすぎるってんで親方竹山文衛門から破門され、戸田の渡しまで来たところで情けなさのあまり川に飛び込もうといたします。それでも最後にもう食えないというところまで飯が食いたいと、飛び込んだ宿屋の主人に問われるままいきさつを語り、新たな相撲部屋を紹介されましてどんどんと強くなり出世力士。
相撲道開闢以来初代明石志賀之助 に始まります横綱の系譜、八代目に名を連ねる阿武松緑之助の若き日のお話「阿武松」
上方噺「愛宕山」
太鼓持ちの一八が旦那のお伴でやって来た京都愛宕山。後について息も絶え絶えどうにか登った山頂で旦那は瓦け投げの遊びを始めますが、これが贅沢にも小判投げ。拾ったらやると言われて欲に駆られた一八が、茶店で借りた飾り物の大傘をパラシュートよろしく見事谷に飛び下ります。
ところが登ろうにも道は無し、日が暮れるとオオカミが出ると脅かされ。着物を脱いで長~いこよりを拵え、竹をしならせた先に結んでさて無事に戻れますやら?
堅物の紺屋職人久蔵さんが錦絵で見た吉原の高尾太夫に恋煩い。
三年間働けは貯まった給金で会わせてやると親方に励まされ、わき目もふらず三年。貯めた九両に親方が一両足してくれ〆て十両、女郎買いの名人医者薮井竹庵先生に導かれ野田の醤油問屋の若旦那という触れ込みで姿海老屋へと繰り込みます。
首尾よく運んで焦がれた大夫と夢の逢瀬。次またいつ?の問いかけに泣き泣き真実を話すと高尾の目にもまた涙。金で枕を交わす卑しき身にさほどの想いとはと、来年三月年が明けたらお嫁入りの約束を果たします。
傾城に誠なしとは誰ぞ言うた。実話を元に作られた「紺屋高尾」めでたしめでたし。
ちなみに同じ内容の「幾代餅」とどこで見分けるかといいますと、泣いてる男の指先が紺色に染まっております。ディティールってやつ?結構凝っておりますの、あははははは!
ファンは一人だけでもまだまだ続くったら続くっ!
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