匂いで記憶がよみがえるという事があります。
区営プールの前を通ったらカルキ臭で子どもの頃の思い出が一気にあふれたなんてことを以前書いたような?
毎年初夏になると風の匂いが春とは変わったと感じる一夜がありまして、そんな時夜っぴて走り回っていた学生時代が思い起こされるんであります。
三年生あたりから急速に親しくなった男がおり顔も体もいかつい彼はいわゆる走り屋でございまして、車の少ない夜中の公道を攻めるため昼夜逆転の生活を敢えてしており、講義で顔を合わせるのもたまにというそれでも単位の取れた遊びが本分のアホんだら学生同士でありました。
いたって単純な性格のあたくしそんな彼にすっかり影響されまして、改造スターレットのサイドシートにナビゲーター気取りで乗り御岳だの万座だの伊香保だの津久井だのへ峠道を突っ走っては夜中の山道でタバコ吸ってシブがっておりました。
時効だから申しますと無人のフロントこっそり通っては露天風呂に浸かったりなんかしましてね。
青春映画の傑作「アメリカングラフィティ」にジョン・ミルガという走り屋がおりまして、走りもケンカもめっぽう腕の立つカッコいい奴。
彼がいつもTシャツの袖にたばこの箱を巻き込んでいるのを真似てあたくしもやったおりましたが、あれは肩の筋肉が盛り上がってないとずり落ちるんでして、華奢なあたくしは度々巻き直すもんでどのTシャツも袖がタゴタゴでございました。
考えてみりゃ自分の車はニッコーの十万キロ落ちのライトエースを一万円で払い下げてもらったものでエアコンなんざ付いておりませんで、今ほどではないにしろ十分暑かった夏をどう乗り切っていたんでしょうか?
あいつもエアコン入れるとパワーが落ちるってんで切ってたしなあ。
ってなことが思い出されるそんな夜は車の窓を全開にして帰るんでありますよ。
あれから40年経っても風の匂いは昔のまま、なんか昂りまして ( *´艸`)
親からのこづかいにちょいとバイト代足して遊んでられた、明日の心配なんて何にもないいい青春時代でございました。
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