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2019年12月17日火曜日

人間賛歌を聴く

かの黒澤明監督が何本も原作に使った山本周五郎先生はいわゆる大衆文学の大御所のお一人で、今読むとやや時代がかった面はあるものの基本を貫くのは人間賛歌とでもいいましょうか限りなく優しい視線とそこはかとない哀しみと、読後は雨に洗われた新芽のごとく生きる喜びに震える思いがいたします。

会社がお休みの日に一人でお仕事しながらいつもヘッドフォンで言論系のYouTubeを聞いておりますが、我が国が直面する危機のあまりの厳しさに胸苦しいような思いをいたすことがしばしばなんであります。
そんな時ラインナップで送られてきた中に芥川龍之介の短編の朗読があったので聞いてみたらこれが実にいいんでして、もともと耳で聞くドラマなどが大好きだったあたくし、その流れで阿刀田高のショートショートや倉橋由美子の大人の残酷童話など昔読んだ懐かしい作品を経巡ったのち山本周五郎を見つけました。

ほぼ全作品詠んだつもりですがほとんど忘れており久しぶりに触れた作品世界は実にどうも思わす落涙してしまうほど感動的で、人情裏長屋シリーズの世話もの的な市井の人々の姿や義を立てる武家の凛とした道など思わず「う~んいいなあ~、日本人!」なんてんで。

現実は現実としてまっすぐに受け止めねばならぬことは避けようもありませんが、時にはただ性善説に首までつかるのも悪くないと思いますよ。
みなさんもぜひ一度聞いてみてね~。






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