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2016年7月22日金曜日

恐怖の瞬間を笑う

南三陸子どもカヤックイベントをいよいよ明日に控え業務連絡が頻々と行き交う中、そういやあの野郎と付き合ってちょうど40年になるのかなんて思ってましたら角川映画も誕生40年目だそうで。

今を去る事40年前青年実業家として華々しく登場した角川春樹は、古色蒼然とした角川文庫をこれまた忘れかけられていた探偵小説の大御所横溝正史に光を当てフェアをぶち上げることによって一大ブームを巻き起こし、同時に映画製作にも乗り出し停滞気味だった日本映画界に新風を吹き込んだという。賛否両論あったけどさ。
杉本一文のカバー絵のシリーズ化によるイメージ戦略、徹底したCMの物量作戦、更に映画化という現在におけるタイアップ商法はあたくしの知る限りこれを嚆矢とし、社長が必ず作中のどこかに出演するヒッチコックばりの演出も従来の社長像を壊す画期的なもので一躍時代の寵児となったのでした。業績に陰りが見え出した後年、自らの作りだした虚像に乗りきれなくなったものかクスリで身を持ち崩したのは、栄光と挫折の物語を自身演じたかのように強く記憶に残ったことでありました。

その第一作「犬神家の一族」は名匠市川崑のメガホンによる重厚な映像美が院隠滅滅とした横溝の作品世界と見事に調和し、大野雄二の哀歓を帯びた音楽と相まって大ヒットいたしました。
かくいうあたしもオヤジにせがんで連れて行ってもらいまして、島田陽子の肌もあらわなシーンでは思春期出鼻の胸をドキドキさせたりなんかして。いや面白かったですね~。

映画のクライマックスで覆面の犬神佐清が母松子の前に正体を明かす有名なシーンがあり、あたくしこのモノマネが得意なんであります。戦場で負った傷の為絞りだすような声で
「珠世の言った事は本当だよっ!俺は佐清じゃないっ!」
「ひええ~、それじゃ一体お前は誰なのっ?!」
これに続くやり取りを延々演じるんであります。
で、これを坊主達が小さい頃からやって見せてたもんで二人ともすっかり覚えちまいまして兄弟で掛け合いなんてことも。ですから結構大きくなってからテレビで放映された時一緒に見てましてこのシーンになったら「ホントだ、父ちゃんやってたまんまだあ~!」と大爆笑になっちまいましてね。
本来なら恐怖に固唾を飲んで見るべきところを親子で大笑いしてたのは日本中でもうちぐらいだろうなと、なんですか妙な幸福感を覚えた事でございました。

もし宴席などでご希望ありましたらどうぞ言ってください。あたくし喜んでモノマネさせていただきます (^◇^)


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