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2016年12月9日金曜日

未明の光に想う

唐突ですがその昔「ウルトラファイト」というテレビ番組がありました。
一世を風靡したウルトラマンシリーズも飽きられて凋落し、下って「ウルトラマンティガ」で復活するまで冬の時代の事でした。
セットも何も無い場所で怪獣の着ぐるみ同士が戦うというだけの五分ほどの番組で、着ぐるみの汚れもリアルというのでなくむしろ物悲しく、うらぶれたドサ回り感がかつて憧れた少年としてはどうにもいたたまれませんでした。
で、もちろんバックとの縮尺もあったのですが何故こんなにも着ぐる感丸出しなのかと考えた結果、目が光ってないからだという事に思い至ったんであります。
そういや小学生の頃鉄人28号のプラモ買ってもらって作ったら、電池で光るはずの目の部品が壊れてて悲しみに沈んだことがあったなあ。
げにも目というのは活力の象徴。池波正太郎の作品でもよく「梅安は眼の光を消して女を見た」なんて表現が出てきましたね。

朝の暗いこの時期、未明の配送便に出ておりますとまだ真っ暗な中を車が行きかっており、フロントガラスの反射を嫌うドライバーの座る座席もまた闇の中。そんな中荷下ろしなどで停まっている車で室内灯を灯しているととても目立ちます。あれ見るとね、いつも浮かぶ場面がありまして。

映画「トラ・トラ・トラ」は真珠湾攻撃を描いた日米合作作品で、後に知った話では当初日本側の監督に指名された黒澤明が、艦長室の机の引き出しに本物の戦陣訓を入れるところまでこだわったのがクレージーだと罷免されたそうです。
CGなど無い時代ですから一部模型の特撮を除いて全てが本物という空前のスケールでした。
特に航空機の数がもの凄い!敗戦後日本に残った軍用機は全て壊され埋められたそうで、ゼロ戦や九九式艦爆などは機影の似た飛行機を塗装し直して使ったそうです。
アリューシャン列島は単冠湾沖に密かに集結した連合艦隊の航空母艦上から、真珠湾目指して未明の空へ次々に飛び立ってゆく艦載機。無論戦争大嫌いだけどあくまでも映画上だけのことでいえば勇ましくて胸躍るところ、そのシーンの航空機のコックピットが光ってたんですわ~。
友軍機を待って上空を旋回する機体の窓、エンジンから吐き出される排気煙。次第に明けゆく空を背景に光る風防ガラスの窓、窓、窓。数ある映画のマイ名場面の中でも絶対に忘れられない場面でしたね~!

折しも昨日は12月8日、電文「ニイタカヤマノボレ1208」。
歴史には数多くの「もし」が存在しますが、その大きな「もし」がその後の運命を分けた日でありました。
「この世界の片隅に」見なきゃね。







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