震災後の東北地方で海から山へと仕事の場を移した人たちがいます。もちろん直後は施設が流されて漁業関連事業どころではなかったんでしょうが、もっと深いところにその理由があったんですね。
それは荒れた里山から再生させなければ、海もまた甦らないという事です。
人の手が入らない山の中は草木が伸び放題で日陰ばかり。枝打ちして間伐して下草を刈り、伸びるべきものは伸ばして除くべきは除く。健康体となった山から流れ込むミネラル豊富な水で海も再び豊かになるという。
山積した問題を解決するのもこれと似ていると思います。あまりにも密生した木々の伸びた枝先だけ切り落としても根っこの方に手が着かなければやがては山全体が枯死し、そうなれば海も死んでしまうでしょう。
１９８０年代前半に大学生活を送ったあたしら三流大学生は、頭悪いのに大学だけは出してやろうという親心にどっぷり首まで浸かっては当時レジャーランドと呼ばれたその場所で毎日遊び暮らしておりました。衣食住の心配なんぞまるで無くバイトした金はそのまま遊ぶ方に回して、国を挙げて明日は今日より良くなるものと無条件に信じていられた昭和元禄を謳歌していたんですな。
親にしたらそれなりに無理をしていたかもしれませんが、特別金持ちでなくともそれが可能なくらいの世帯収入があった時代だった訳です。
それがですよ。この本読んだら丸太ん棒で頭ぶっ叩かれたようなショックを受けました。
現在大学生の男子で五割以上、女子は六割以上の子供たちが奨学金で学校に行っているという。
高校新卒者に対する企業からの求人がほとんど無い現在大学出ないと新規正採用の道すら閉ざされているため進学するものの、母子家庭の増加などだけでなく親の収入が低いため世界的に見ても異常な高騰を続ける学費がまかなえず奨学金に頼らざるを得ない現状があります。
しかし奨学金という呼び名から連想される優秀な成績の子への特典といった響きとは裏腹に、実際には利子で収益を上げる単なる金融商法で、しかも今やそれは高校を出たばかりの十代の子供たちにその意味も分からないうちに大金を貸し付ける国家主導の貧困ビジネスとなっていたのです。
なぜなら基本的に親を頼れない彼らは奨学金だけでは年８０万から１００万円になる学費の他かかる生活費はまかなえず、必然的にアルバイトで稼がねばならぬところが非正規労働者を容赦なく使い潰すブラックバイトの氾濫で、睡眠すらとれないほど過酷な生活に追われても月に５万も入らないような状況に置かれているからなのです。
そこで身を投じるのが風俗の世界。真面目で責任感が強い子ほど金を返さねばとの意識が高くそうなりがちで、経済的に豊かだと思われがちな超一流大学の女子大生も珍しくはないそうです。
サービス内容に程度の差はあっても金のために身を売る意味には違いないのですが、意外やそこでの彼女たちは自分の居場所を見出し輝いてすらいます。
それまで財布に２１０円しか入っていないような日常の中で水だけ飲んで一日過ごすこともあるほど追いつめられ、授業とバイトの他には自分の時間すら無かったところシフトの自由が利いて高収入なので友達や彼氏と過ごす時間も金も出来、客からはちやほやされて初めて人間らしい暮らしを手に入れられた、しかもある程度容姿に恵まれていなければ採用すらされないことを思えば自分は本当にラッキーであると。
ここでおじさん読んでてちょっとホッとしたりなんかいたします。そっか～悲しんでないなら良かった、今度行こうかしらん？なんてんで (^_^;)
でもですよ。これやっぱ異常でしょ！バイトに責任おっ被せて休憩もさせず、あるいは買取やさっ引きなど搾取するような労働環境があるからそっちに逃げるんだから！ダメだよそんなのっ！
ノンケの男子でさえ新宿二丁目で男相手にウリするってんですもの～！
彼らの言葉を借りるならそんなラッキーな一部を除けば、卒業時点で平均５００万円にもなる負債を背負って社会に出る学生たち。正規労働に就ける可能性が必ずしも高くない現在その大半が自己破産予備軍と言っても過言ではなく、返済を続けられたとしても借金まみれでは趣味や結婚といった人生の果実を得ることにも影を落とすことは避けられないでしょう。
何度も書いてますが未来は若い奴らのもんですよ。その未来摘んでどうすんの？
年取ってからみじめなのは嫌だけど順番に譲って行かなきゃダメっしょ！第一抱え込んだ金残して介護してくれつっても、看てくれる若いのがいなけりゃおしめ自分で換えるのか？え？
この国の偉い人たちさあ、税金上げるんならこういう事実頭にしっかり入れて枝打ちしたり下草刈ったり使うべきところに金使ってくれよっ！企業の偉い人ならちゃんと雇ってちゃんと金払って休みもやってくれよっ！
根っこが腐ると山が死んで海が死んで、結局みんな死んじゃうよおおおお～～！！
あたくしすっかり読後の毒が回ってしまいましたの (T_T)
口直し口直し
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