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2022年12月30日金曜日

中身の伴わない己を歎ずる

あたくし本日を持ちまして満六十歳となりました。
いわゆるひとつの還暦というやつで。

十二支がぐるっと回って元に戻るというくらいの認識でしたが改めてググってみますと十二支と干支の組み合わせに依るそうで、丙午だの辛申だの六十個あるそれが六十年目に生まれた時の組み合わせに戻るという。
あと二日になって言うのも何ですが今年は壬寅(みずのえとら)なんだそうで。
そう考えるとなにやらはるばる来たもんだって感じっすね。

永井豪先生の漫画短編集の中に「赤いちゃんちゃんこ」というお話がありました。
還暦を迎えたおじいさんが朝目覚めると枕元に黒いちゃんちゃんこが置いてあります。
なぜかそれを見て恐怖に駆られ逃げ出すじいさん。
すると親族が「おめでとう!」「おめでとう!」と言いながらとっ捕まえ庭先へ。
「いやあ嫌味なジジイでしたからね~、今日を楽しみにしてたんですわ」ってなことを言いながらちゃんちゃんこに点火しますと、ガソリン吸って黒かったものが炎で赤いちゃんちゃんこに燃え上がるという。
20××年、高齢化対策として政府は六十歳以上の生存を認めずその方策としてこのやり方が取られたと解説が入って終わるんですわ。
めでたい日に嫌な話ですが事程左様にかつて六十というと立派な?高齢者であったものが、アンチエイジングじゃないけど今じゃ自分も含め「だからなんすか?」って感じよね。

では最近発見した童謡「船頭さん」の戦前バージョンをお届けして終わりたいと思います。
どうぞ

村の渡しの 船頭さんは
今年六十の お爺さん
年はとっても お船をこぐ時は
元気いっぱい 櫓(ろ)がしなる
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ


雨の降る日も 岸から岸へ
ぬれて船こぐ お爺さん
今日も渡しで お馬が通る
あれは戦地へ 行くお馬
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ


村の御用や お国の御用
みんな急ぎの 人ばかり
西へ東へ 船頭さんは
休むひまなく 船をこぐ
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ


あたしもまだまだ櫓(さお?)をしならすぞ~! それギッチラギッチラギッチラこ~!


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