年代的な部分はありますが名画は?と聞かれ「ゴッドファーザー」と答える方は多いだろうと思います。
ネットの映画評的な動画見ましてもこれについてのものは結構な数で、先日そんな中に吹替え版の比較というのがありました。
マイケル・コルレオーネがファミリーのベガス移転を目論み、砂漠の真ん中に巨大歓楽街を作り上げた大物モー・グリーンに掛け合う名シーンが四つのパターンで順に流されまして。
あたくし一番なじみ深いのはマイケルを野沢那智さんが演じた初代?吹替え版で、続く他の方達もそれぞれに芸達者でありました。
ところが初めの二つと時代が下っての後二つについてモーの台詞の一部が変えられていることに気づいたんでありますよ。
こんな感じ
はっきり言ってやるよ、コルレオーネファミリーはおしまいだってんだ!
帝王といわれたドンは老いぼれてよ、タッタリアに追い出されそうなんだろ?
俺を甘く見るなよ、モー・グリーンだぜ!
お前が鼻水垂らしてる頃から命を張ってんだ!
が
はっきり言ってやるよ、コルレオーネファミリーはおしまいだってんだ!
帝王といわれたドンは病気でよ、タッタリアに追い出されそうなんだろ?
俺を甘く見るなよ、モー・グリーンだぜ!
お前が高校生の頃から命を張ってんだ!
に
いかがでしょうか?
ちょっとの違いで叩き上げのギャング、モー・グリーンの凄みが失われておりますね。
書き換えの意図としては「老いぼれ」と「鼻水垂らす」が現在の社会通念上いかがであろうか?ってことなんでしょう。
実に小賢しい!
作品が作られた時代の価値観を後の世になって勝手に変えることで原作の世界観を壊すってのはあっちゃならんことであります。
落語「心眼」はめくらのあんまさんが主人公の噺で、身を寄せた知り合いの家が食い詰めて面罵される場面のセリフ
「どめくら!食いつぶしに来やがった!」
これが
「目の不自由な方!恐れ入りますが出て行ってください!」
になりますか?ってんだよ。
この手のくだらなさは今の世にあふれており、呆れたことには肉屋も八百屋もダメだってんですよ。
あたしゃプライドと誇り持って言いますよ
「俺は肉屋だあ~!!」
勝手に決めてんじゃねえよ!!